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宝石サンゴ調査

2010年08月19日


サンゴ写真

 全国のおよそ3分の2が県内で水揚げされているという「宝石サンゴ」=写真、について、高知大などの研究グループが農林水産省の補助を受け、今年度から3年計画で生息状況や生息量を調べる。日本近海の宝石サンゴの本格的な調査は初めてという。研究グループの岩崎望・高知大准教授は「持続的に宝石サンゴを利用するための資源管理の方法を明らかにしたい」と話す。


 宝石サンゴは浅いところでサンゴ礁をつくる「造礁サンゴ」と異なる種類で、水深50〜2千メートルの深い海中に生息。宝飾品に加工される。日本周辺ではアカサンゴ、モモイロサンゴ、シロサンゴなどがあり、県内では約200の漁業者が知事から許可を受けて室戸岬沖や足摺岬沖などで漁をしている。昨年度は約2700キロが取引された。


 宝石サンゴについては、今年3月のワシントン条約締約国会議で米国などから取引規制の提案が出されたが否決された。日本近海での宝石サンゴの生態はよくわかっていないのが現状で、生息状況を調べて資源管理に生かそうと、高知大を中心に金沢大、国立科学博物館などが加わって研究することになった。今年度の予算は約2400万円。


 水中カメラで日本近海でのサンゴの生息密度や大きさ、繁殖期、成長速度などを観察。地域ごとの遺伝子の違いや増殖技術、漁獲方法などについても調べる。研究について県水産振興部の担当者は「科学的な研究をしていただけるのは画期的なことだ」と期待している。

 
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