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宝石サンゴ:高知沖で3年かけ資源量調査へ
 欧米主張の輸出規制へ対応−−県/高知

2010年8月19日


 高知の伝統産業である宝石サンゴ漁を継続していこうと、県漁業振興課は18日、高知沖に生息する宝石サンゴの資源量について、今後3年間で調査すると発表した。資源量を厳密に管理することで「取り過ぎ防止が必要」と輸出規制を主張している欧米諸国に対応する考えだ。【倉沢仁志】

 今年3月にドーハ(カタール)で行われたワシントン条約締約国会議で、米国と欧州連合が宝石サンゴの輸出規制案を提出。日本政府が、漁を行っている地域社会への影響を考慮するよう訴えたため、規制案は否決されたが、今後も議論に上がる可能性があることなどから、県が農水省に要望し、研究調査予算が計上された。

 内容としては、高知沖の宝石サンゴの資源量▽サンゴの生態系を壊すとされる網漁業の評価▽生息域の把握−−など。

 これらの調査に基づき、休漁期間や漁獲サイズなどを設定し、今後も持続的にサンゴ漁を行っていくことを目指す。

 現在個人でサンゴ漁を行っている県は高知のみ。県は、高知大の岩崎望准教授(海洋生物学)らと協力し、今後3年間の調査結果を踏まえ、13年に開かれる同会議に参考資料として提出したい考えだ。

 この日会見した岩崎准教授は「今まで国内では本格的な研究調査は行われてこなかった。これを機にサンゴの生態系を解明したい」と話した。

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 ◇宝石サンゴ

 水深約100〜1000メートルに生息する硬質のサンゴで、古くから重宝されてきた。ダイビングで目にする浅瀬の柔らかい造礁サンゴとは異なる。日本では赤、桃、白色の宝石サンゴが一般的。県は例年国内の漁獲の約6割を占め、加工の8割が行われている。全国の昨年の取引量は3100キロ、取引金額は約10億9000万円。

 
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